・長時間の車の運転をすると足がしびれる
・長時間座っていると腰が痛い
・長時間座っていられなくて仕事や学業に支障がある
このような悩みを解決する記事になっています。
人間は進化の過程で椅子に座るという機能を獲得しました。
他の動物にはできない人間唯一の機能です。
実は、座位を獲得したがためにデメリットもあります。
腰への負担です。
こんな経験はありませんか?
・朝起きて座ると痛い
・長時間座っていると腰が痛くなる
・長時間座っていると足がしびれてくる
この記事を読むことで、座位に対する考え方を変えることができ、腰痛や腰椎椎間板ヘルニアの予防に繋がります。
【本記事の内容】
・座位姿勢が腰に与える影響
・腰に負担のかからない座位について
理学療法士として学んできた医学知識や経験も踏まえて解説していきます!
下記の文献も参考にしています。
・嶋田智明:『腰痛の病態とその理学療法アプローチ』.文光堂,2008
・林典雄:『整形外科運動療法ナビゲーション下肢』.メジカルビュー社,2014
・坂井健雄:『プロメテウス解剖学アトラス解剖学総論/運動器系』.医学書院,2007
・腰痛や脚のしびれに悩まされている人
・腰痛やヘルニアと診断を受けたことがある人
・長時間のデスクワークや運転をする仕事
長時間の座位で足がしびれる3大原因
長時間座っていて足がしびれたことはありませんか?
主要な原因は3つあります。
①腰椎椎間板ヘルニア
②梨状筋症候群
③エコノミークラス症候群
順番に解説していきます。
腰椎椎間板ヘルニア
①大きな負担がかかって傷める
②小さな負担が積み重なって傷める
①は大きなエネルギーによる外力が加わっての損傷です。
交通事故、スポーツ、重量物挙上などの重労働などがあたります。
一方、多くの腰痛は②が原因です。
日常生活、家事、軽作業などがあたります。
梨状筋症候群
坐骨神経という神経がお尻の間を通っています。
坐骨神経が圧迫されてでる神経痛を坐骨神経痛といいます。
坐骨神経痛の原因の1つに梨状症候群といわれるものがあります。
【梨状筋症候群とは】
・お尻の奥の筋肉の1つに梨状筋がある
・梨状筋の間を坐骨神経という神経が通っている
・梨状筋で神経が圧迫されて出るしびれや痛みを梨状筋症候群という
梨状筋のどこを坐骨神経が通っているかは、個人差があります。
坐骨神経と梨状筋の関係は、上記の6タイプにわけられます。
坐骨神経が2本に分かれ梨状筋内を貫通するタイプが、坐骨神経痛がでやすい。
エコノミークラス症候群
【エコノミークラス症候群とは】
①座ったまま動かないことで循環が悪くなる
②ふくらはぎに血栓ができる
③血栓が原因で脚のしびれや痛みを生じる
④血栓が剥がれて肺に流れて詰まると命にかかわる
※エコノミークラスでよく起こることから名称がついた
座ってて脚がしぶれる原因としては、ヘルニアや梨状筋症候群よりは少ないです。
エコノミークラス症候群について詳しく知りたい方は、以下の記事をどうぞ。
椎間板や靭帯は持続的なストレスに弱い
動的支持組織と静的支持組織
筋肉と靭帯の違い
・筋肉はゴムのように伸び縮みする(動的支持組織)
・靭帯はそれ以上いかないようにロープのようにとめる(静的支持組織)
大きな可動範囲をコントロールするのが筋肉の役目。
関節をいためないようにそれ以上の動きをとめるのが靭帯の役目。
椎間板ヘルニアの原因となるクリープ現象とは
【椎間板とは】
・背骨一つ一つの間にあるクッション
・体重を支える強固な組織
・衝撃を吸収する弾力性
靭帯と同じで静的支持組織といえます。
椎間板は、弾力性もあり強固な組織ですが持続的なストレスが弱点です。
クリープ現象といわれるものがあります。
クリープ現象とは
・長時間座ることで椎間板の同じ場所に圧が加わる
・同じ場所に刺激が加わり続けることで脆くなる
クリープ現象が椎間板ヘルニアの原因になります。
持続的なストレスをかけないようにしよう
椎間板を守るためには、クリープ現象を起こさないことが大切です。
つまり、長時間同じ姿勢をとって同じ場所に持続的なストレスをかけないこと。
そして、椎間板は後ろの組織が弱いという特徴があるため、座位で負担がかかりやすいんです。
午前中に腰に負担をかけることは避けよう
午前中と夜で身長が違う理由
身長は1日のうちで変化するって聞いたことありませんか?
都市伝説なんかではなくて本当なんですよ!
・午前中がもっとも身長が高い
・夜が一番身長が低い
・一日のうちで1cm以上身長が変わる
なぜこのようなことが起こるのか?
答えは椎間板です。
・椎間板は水分を含むことで高くなり、水分がでることで低くなる
・午前中は水分を含んでいるが、時間が経つにつれて重力で水分がでていく
・背骨1つ1つに椎間板があり、積み重なると高さが変わってくる
椎間板は午前中は水分を含んでるため脆い
重力とともに椎間板の中の水分が抜けていきます。
一日寝ている間に椎間板に水分が戻っていき、午前中が一番水分を含んでいる状態です。
水分を含んでいる状態は組織的な強度が落ちています。
午前中に腰に負担をかけることは避けよう
・午前中に重いものを持ったりする
・午前中に長い時間座り続ける
・午前中に中腰で洗顔する
座っている姿勢に注意しよう
人間の背骨は負担を減らすためS字カーブ
人間の背骨は負担を減らすためにS字カーブになっています。
特に腰椎は生理的前彎といって、前方に彎曲することで椎間板への負担を減らしています。
パソコンや車の運転は背骨が曲がりやすい
・机や椅子の高さが合っていないパソコンを使用
・作業や運転に注意すると姿勢が崩れる
・脊柱全体が曲がった姿勢になりやすい
腰に負担のかからない座位姿勢が大切
・腰椎の生理的前彎を保つこと
・頭と肩と股関節が一直線の状態
・椅子や机の高さなどを適切に保つ
長時間座り続けるとヘルニアになる!?
デスクワークや運送業にヘルニアが多い?
・長時間の座位姿勢
・午前中に座位を取り続けたり重いものを持つことがある
事務仕事でパソコンを長時間したり、運送業で長時間運転しますよね。
姿勢を変えられないことも多いのが現状でしょう。
午前中に無理しないといけないこともあるはずです。
やはり職業柄、ヘルニアになりやすいと言わざるを得ません。
長時間の座位は間違いなくヘルニアのリスク
これまで述べたように、長時間の座位姿勢がもっともヘルニアのリスクを高めます。
デスクワークが増えた現代において、仕方のないことかもしれません。
でも、対策をすることでヘルニアになるリスクを下げることはできます。
ランバーサポートの使用と頻回な姿勢変換を!
①良い姿勢を保つこと
②姿勢を頻回に変えること
姿勢を頻繁に変えることができれば一番ですが、なかなかそうもいかないのが現状です。
まず良い姿勢をとれるようにすることです!
オススメは『ランバーサポート』です。
以下のように、クッションのようなものをいれることで、意識せずに生理的前彎を保てます。
まとめ【ヘルニアを防ぐためには長時間の座位姿勢をとらないこと!】
・長時間の座位姿勢を避けること
・午前中に腰に負担をかけることを避けること
・腰椎の生理的前彎を保つこと
・頻回に姿勢を変えること
・ランバーサポートを使用すること
環境を変えたり道具を工夫することも1つでしょう。
特に椅子にはお金をかけましょう。
ランバーサポートを使ってみるのもオススメです。
それでは、また!