・運送業なので仕事で重いものを持ち上げることが多い
・介護士なので無理な体勢で介助しないといけないことが多い
・重いものを持つことが多いからか腰が痛くて辛い
このような悩みを解決する記事になっています。
介護士や運送業の仕事では重いものを持たないといけません。
そのため、腰痛持ちが多いのが現実です。
こんな経験はありませんか?
・重いものを持ち上げようとしたときにギックリ腰になった
・体格の大きい患者さんを介助するときに腰をいためてしまった
・仕事中腰が痛くて辛い
この記事を読むことで、重いものを持つときの腰を守る方法を知ることができ、腰痛や腰椎椎間板ヘルニアの予防に繋がります。
【本記事の内容】
・椎間板に負担のかからない姿勢について
・重いものを持つときの5つのポイント
理学療法士として学んできた医学知識や経験も踏まえて解説していきます!
下記の文献も参考にしています。
・嶋田智明:『腰痛の病態とその理学療法アプローチ』.文光堂,2008
・林典雄:『整形外科運動療法ナビゲーション上肢・体幹』.メジカルビュー社,2014
・坂井健雄:『プロメテウス解剖学アトラス解剖学総論/運動器系』.医学書院,2007
・介護士や運送業の人
・腰痛が原因で仕事に支障がある人
・重いものを持つときに腰痛がある人
椎間板の負担がかかる姿勢とは
![腰に負担のかかりやすい姿勢](https://generalist-pt.com/wp-content/uploads/2020/02/腰に負担のかかりやすい姿勢.jpg)
椎間板ヘルニアに至るメカニズム
椎間板ヘルニアはどのようにして起こるのでしょうか?
【椎間板ヘルニアに至るメカニズム】
①椎間板の圧力が高まり耐えられなくなる
②椎間板が損傷
③椎間板の中の髄核が後方に脱出(ヘルニア)
④脱出した髄核が神経を圧迫(脚のしびれや痛み)
![椎間板の髄核の後方移動](https://generalist-pt.com/wp-content/uploads/2020/02/椎間板の髄核の後方移動.jpg)
椎間板内圧について
ヘルニア発症リスクは椎間板内圧の上昇です。
椎間板の圧を高めやすい姿勢で無理をすることが原因といえます。
では、椎間板内圧が高くなる姿勢はどういう姿勢でしょうか?
立位を100としたときの、他の姿勢の内圧は以下の画像となります。
![椎間板内圧](https://generalist-pt.com/wp-content/uploads/2020/02/椎間板内圧.jpg)
・椎間板内圧が高まる姿勢に注意
・立位より座位や中腰での負担が大きくなる
・中腰で物を持つと2倍以上の負荷がかかる
生理的前彎が腰を守る
背骨はS字上のカーブを描いています。
この構造が負担を分散させるのに有利です。
もし背骨がまっすぐ一本の棒であれば、きっと人間は立っていられないでしょう。
![脊柱S字カーブ](https://generalist-pt.com/wp-content/uploads/2020/01/脊柱S字カーブ.jpg)
腰椎部分をみてください。
前に彎曲しているのがわかるかと思います。
これを生理的前弯といいます。
・腰椎の生理的前弯が少なくなると、腰への負担が大きくなる
・腰が曲がった姿勢がヘルニアになりやすくする
日常生活で椎間板に負担のかかる姿勢
日常生活で負担のかかりやすい姿勢をとらないようにしましょう。
注意すべき動作の一例を以下に示します。
![洗顔動作時の注意点](https://generalist-pt.com/wp-content/uploads/2019/08/洗顔動作時の注意点.jpg)
・立位での中腰はもっとも危険
・洗顔時は注意すべき
・腰椎の生理的前弯を保ちながら膝を曲げることが大切
中腰で重いものを持ってはいけない
![中腰での重量物挙上](https://generalist-pt.com/wp-content/uploads/2020/02/中腰での重量物挙上.jpg)
中腰は一番椎間板に負担のかかる姿勢
以下の図をもう一度みてください。
中腰になると立位の1.5倍の負担がかかっているのがわかります。
さらにその状態で物をもつと2.2倍になっています。
![椎間板内圧](https://generalist-pt.com/wp-content/uploads/2020/02/椎間板内圧.jpg)
重いものを持つときはかなりの負担がかかる
重いものを持ち上げようとしたときにギックリ腰になったことはないでしょうか?
重いものをもつときには、腰にはかなりの負担がかかります。
腰をいためる原因のトップ3には入ります。
無理な体勢で重いものをもつ介護士や運送業は注意
仕事で重いものを持つ人は特に注意が必要です。
どうしても効率や時間の短縮を重視することもあります。
そうなると無理な体勢で重いものを持ってしまいがちです。
特に、以下の左のような持ち方は危険です。
![ヘルニアで物を持ち上げるときの注意点](https://generalist-pt.com/wp-content/uploads/2019/08/ヘルニアで物を持ち上げるときの注意点.jpg)
【腰をいためやすい職業トップ3】
①介護士
②運送業
③デスクワークの仕事
重いものをもつときに注意すべきこと
![重いものを持つときの注意点](https://generalist-pt.com/wp-content/uploads/2020/02/重いものを持つときの注意点.jpg)
「柔よく剛を制す」という言葉をご存知でしょうか?
重いものを持つときに腰の負担を減らすポイントがあります。
柔道や合気道などでは、自分より体重の重い人を軽々と投げ飛ばしたりします。
これと同じで、少ない力で負担がかからないようにしましょう。
力技で重量物を持ち上げていると、いつか腰を壊してしまいますよ。
![ヘルニアで物を持ち上げるときの注意点](https://generalist-pt.com/wp-content/uploads/2019/08/ヘルニアで物を持ち上げるときの注意点.jpg)
①重心を低くすること
重心が高いと腰を曲げてしまいます。
まずしっかり腰を落として股関節と膝関節を曲げます。
重心を低くしましょう。
②重心と物体の距離を近づけること
重心を低くすると重心と物体の距離が近づきます。
さらに近づけるためには、荷物を抱え込むようにしっかり体に引き寄せましょう。
③腰を丸めないこと
腰を丸めた状態で持つと、椎間板への負担が半端ないです。
腰椎の生理的前弯を保つようにしましょう。
④体幹に力をいれること
持ち上げるときにはお腹に力をいれましょう。
お腹をへっこめるようにするのがコツです。
腹圧が高まり腰椎が安定します。
⑤脚の力を使うこと
腕の力だけで持ち上げようとすると腰に負担がかかりやすい。
腕の力より脚の力の方が遥かに強いので、脚をしっかり使いましょう。
太さを考えても脚の方が強いのはわかりますよね。
まとめ【重いものを持つときは腰をいためないように注意】
![引っ越しや介助で腰をいためない](https://generalist-pt.com/wp-content/uploads/2020/02/引っ越しや介助で腰をいためない.jpg)
・中腰で重いものを持つのは腰を壊しにいくようなもの
・介護士や運送業は特に注意しましょう
・重いものを持つときには負担のかからない方法で!
仕事上どうしても重いものを運ばないといけない人も多いかと思います。
効率重視で無理な体勢で重いものを持ってしまう人は注意しましょう。
ヘルニアになってしまいますよ。
神経の痛みなのでめちゃくちゃ痛いんですよ・・・
後悔しても遅いです。
重いものを持つときは、今回の記事を思い出して参考にしてくださいね。
それでは、また!