・足がむずむずして眠れない
・睡眠における悩みがあり病院を受診すべきか迷っている
このような悩みを解決する記事になっています。
この記事で紹介する「厚労省の発表している睡眠障害の早期の対策の重要性」を知ることで、重篤な病気への移行を未然に防ぐことができます。
理学療法士として学んできた医学知識も踏まえて、「厚労省の発表している睡眠障害の早期の対策の重要性」を僕なりの解釈も加えてお伝えします。
・いびきや歯ぎしりなどを指摘されたことがある人
・睡眠で悩んでいることがあり病気ではないか心配な人
・注意すべき睡眠障害について知りたい人
今回の記事は、厚労省が発表している「健康づくりのための睡眠指針2014」を僕なりの解釈したものになります。
この記事は参考にしていただければとは思いますが、あくまでも自己責任の範疇でお願いします。
睡眠障害は早期発見・早期治療が大切
睡眠時のいびきや歯ぎしりや不眠の中に病気が隠れているかも
いびきが凄かったり、歯ぎしりをしていたり、寝言を言っていたりなどは、自分ではなかなか気づかなかったりします。
人から指摘されて気づいたりすることが多いです。
これらの睡眠中の変化の中には、専門的な治療を要する病気が隠れていることがあるため、注意が必要です。
睡眠時無呼吸症候群とは【睡眠時のいびきや無呼吸に注意】
睡眠中の激しいいびきは、喉のところで呼吸中の空気の流れが悪くなっていることを示すサインです。
ひどい人は途中で呼吸が止まる、いわゆる無呼吸が数十秒起こる人もいて、睡眠時無呼吸症候群といわれます。
いびきをしている人の中には、睡眠時無呼吸症候群が隠れている可能性があります。
睡眠時無呼吸症候群では、脳の酸素不足を起こすため放置していると、病気の原因となったり寿命が短くなることがいわれています。
睡眠時無呼吸症候群は、適切な治療を受けることで症状が改善し、高血圧や脳卒中の危険性が減ることも示されています。
このため、睡眠時無呼吸症候群の予防と早期発見が重要です。
病気が隠れているかもしれない睡眠時の症状【歯ぎしり・むずむず感】
就寝時に足のむずむず感や熱感で眠れなくなる病気があり、レストレスレッグス症候群といわれています。
また、睡眠中の手足のぴくつきは周期性四肢運動障害の可能性があります。
これらの病気があると、一定時間眠っても休息感が得られず、日中に異常な眠気をもたらす
ことがあります。
さらに、睡眠中の歯ぎしりがある人は顎関節の異常や頭痛を持つことが多いことが示されています。
いずれも医師や歯科医師に早めに相談することが大切です。
うつ病と睡眠障害は相互に影響を与える関係にある
うつ病の多くでは、寝つきが悪く、早朝に目が覚めたり、熟睡感がないなどの特徴的な不眠を示します。
こうした特徴的な睡眠障害を初期のうちに発見し適切に治療することは、うつ病の悪化を予防することにつながります。
うつ病と睡眠障害は相互に影響を与える関係といえます。
日中のひどい眠気にはナルコレプシーなどの過眠症の可能性
きちんと睡眠時間が確保されていても、日中の眠気や居眠りで困っている場合は、ナルコレプシーなどの過眠症の可能性があります。
日中に突発的な異常な眠気に襲われることもあり注意が必要です。
思い当たる方は、医師による適切な検査を受け、対策をとることが大切です。
睡眠障害で注意すべき症状【ポイントとエビデンス】
睡眠障害の中には、治療を要する病気が隠れている可能性があります。
短期的には大きな問題はないかもしれませんが、放置することが健康を害したり重大な事故を誘発してしまうかもしれません。
早期発見と早期治療が大切であり、早めの専門病院の受診をオススメします。
・睡眠中の激しいいびき・呼吸停止、手足のぴくつき・むずむず感や歯ぎしりは要注意
・眠っても日中の眠気や居眠りで困っている場合は専門家に相談
・睡眠時無呼吸を有している人では高血圧、糖尿病、脳梗塞、循環器疾患を発症する危険性が高い
・下肢を動かしたい強い衝動(多くは下肢の異常感覚を伴う)が安静時に増悪し、特に夕方から夜に症状が悪化するという特徴を持ったレストレスレッグス症候群(RestlessLegs Syndrome:RLS, むずむず脚症候群)という
・レストレスレッグス症候群の有病率は、日本では1.8%、他の先進国でも1.3~4.2%と報告されており、女性の有病率は男性に比べて約1.5倍高く,また、加齢ともに有病率は高くなる
・睡眠中に足首の関節をピクピクと背屈させるような動きを周期的に繰り返す運動が認められる睡眠時周期性四肢運動(Periodic Limb Movements in Sleep:PLMS)はRLS患者の80%にみられる
・運動の回数が多く、覚醒反応が頻繁に起こり、睡眠の質を悪くする結果、熟睡感の欠如や昼間の眠気が起こる状態は周期性四肢運動障害(PLMD:Periodic Limb Movement Disorder)といわれる
・睡眠中の歯ぎしり音を主徴とする睡眠時ブラキシズムの有病率は、成人で約5~10%である
・睡眠時ブラキシズムを有する者では、歯の咬耗、楔状欠損や歯周組織の破壊などのほか、顎関節の異常や頭痛を呈する
・睡眠時ブラキシズムを有する者では、いびき、睡眠時無呼吸、不眠やRLS などを有することも多く、さらに、睡眠中の歯ぎしりが起こっている時の血圧が増加する
・うつ病では、早朝に目が覚めたり、熟睡感がないなどの特徴的な不眠を示す
・一部のうつ病では不眠ではなく過眠を呈する場合もある
・睡眠障害を初期のうちに発見し適切に治療することは、うつ病の悪化を予防する
・夜間に十分に睡眠時間が確保されていても日中の眠気や居眠りで困っている場合には、ナルコレプシーなどの過眠症を有する可能性がある
・日中の過度の眠気は、直接的かつ短期的に健康を害する場合は少ないものの、長期的には仕事や学業に支障を生じ、重大な労働災害や交通事故の危険因子となりうる
睡眠障害は1人で悩まず専門家に相談を
睡眠の悩みがあれば専門家に相談を
睡眠における悩みを抱えている人は多いです。
・熟睡感がない
・十分に眠っても日中の眠気が強い
睡眠の問題は日中の生活に悪影響を及ぼします。
自らの工夫だけでは改善しないと感じた時には、早めに専門家に相談することが重要です。
例えば、ひとり夜眠れないでいることはつらいだけでなく、孤独感を感じるものです。
そのつらさは家族にもなかなかわかってもらえないことがあります。
よく眠れない、あるいは日中眠たくて仕方ないなどの睡眠における問題は、「からだやこころの病」の兆候かもしれません。
苦しみをわかってもらうだけでも気持ちが楽になります。
相談できる人を持つことは大きな助けとなります。
睡眠習慣についての助言を受けることで、睡眠を改善する手立てをみつけることができる可能性があります。
睡眠薬の用法・用量は守りましょう【お酒と睡眠薬は同時に飲まない!】
睡眠薬などの薬を用いて治療を受ける際は、医師に指示された用法や用量を守り、薬剤師から具体的な服薬指導を受けることが重要です。
また、薬とお酒とを一緒に飲まないことは特に重要です。
お酒と睡眠薬を同時に飲むと、記憶障害、もうろう状態等が起こる可能性があり、大変危険です。
疑問や不安ある場合、睡眠薬を飲み始めて気になる症状が出た場合には、医師や薬剤師に相談しましょう。
睡眠障害は専門家への相談が大切【ポイントとエビデンス】
睡眠の悩みを1人で抱えている人も多いです。
「からだやこころの病」のサインかもしれません。
取り返しがつかなくなる前に、早めに専門家に相談しましょう。
・専門家に相談することが第一歩
・薬剤は専門家の指示で使用
・日中眠たくて仕方ないなどの自覚症状は、「からだやこころの病」のサインである場合があることが示されている
・薬に慎重なことは悪いことではないが、急に減らしたり、中断したりすると、かえって睡眠が不安定となり、不眠の悪化につながることもある
・体が眠る態勢になっていない時間帯に眠ろうとして睡眠薬を飲んでも、寝つくことはできず、ふらつきや記憶力の抜けなど好ましくない作用が出ることがある
・睡眠薬とお酒を同時に飲むと、記憶障害を起こして、飲んだ後のことを思い出せない、意識がもうろうとして知らないうちに変わった行動をとる、激しい脱力やふらつきが起こる、といった状態が起こる可能性がある
まとめ【睡眠障害の早期発見・早期治療で病気を予防】
今回の記事では、厚労省が精査したうえで研究から取り入れた指針に基づいて、睡眠障害における早期発見と早期治療の重要性について整理しました。
「健康づくりのための睡眠指針2014」について詳しく知りたい方は下記の記事もご参照ください。
厚労省の健康づくりのための睡眠指針2014の原本を知りたい方は以下をご参照ください。
それでは、また!