・朝洗顔をするときに中腰になるのがつらい
・腰痛や下肢のしびれで日常生活や家事に支障がある
このような悩みを解決する記事になっています。
腰痛は国民病であり、多くの人が一生のうちに一度は経験するといわれます。
腰痛のそもそもの原因はなんでしょうか?
実は、普段の日常生活での動作が原因になっていることも多いんですよ。
こんな経験はありませんか?
・洗顔のときに中腰がつらい
・炊事のときに立ちっぱなしがつらい
・洗濯物を干すときに上に手を伸ばすのがつらい
この記事を読むことで、これらの日常生活での動作の負担を減らすことができ、腰痛や腰椎椎間板ヘルニアの予防に繋がります。
【本記事の内容】
・日常生活や家事での腰に負担のかかりやすい動作の特徴
・腰に負担のかからない動作方法について
理学療法士として学んできた医学知識や経験も踏まえて解説していきます!
下記の文献も参考にしています。
・嶋田智明:『腰痛の病態とその理学療法アプローチ』.文光堂,2008
・腰痛や脚のしびれに悩まされている人
・腰痛やヘルニアと診断を受けたことがある人
・日常生活や家事で負担のかからない動作方法を知りたい人
普段の何気ない動作の積み重ねが腰痛やヘルニアの原因に
腰を傷める原因は大きく分けて2つ
①大きな負担がかかって傷める
②小さな負担が積み重なって傷める
①は大きなエネルギーによる外力が加わっての損傷です。
交通事故、スポーツ、重量物挙上などの重労働などがあたります。
一方、多くの腰痛は②が原因です。
日常生活、家事、軽作業などがあたります。
同じ習慣や動作パターンをするのがほとんど
日常生活や家事などは毎日決まって同じように行動します。
毎回違うやり方でやるということはありません。
日曜生活も家事も同じ道具や環境で行うからです。
小さい負担も塵も積もれば山となる
・毎日掃除、炊事、洗濯をする
・毎日同じ椅子に座り同じパソコンを使う
・1日のうちに数回行うことも多い
それ自体は大きな負担ではないかもしれません。
でも日常生活や家事って毎日繰り返し同じことをしますよね。
それが積み重なることで負担になることもあるので注意が必要です。
日常生活や家事の動作で負担を減らすことが大切
日常生活で何気ないことも繰り返すと負担になる
一例を考えてみましょう。
食事をとる席はいつも同じですよね。
そのときのテレビの位置はどこにありますか?
座ったときに右側にあったとします。
すると、以下のようなことを自然に行っていることになります。
・テレビを見るために体が右に回旋させることが多くなる
・体重は右のお尻にかけることが多くなる
左右のバランスを崩したり、同じ場所に負担をかけそうな気がしませんか?
こういった小さなことが腰痛の原因になっているかもしれませんよ。
運動やストレッチをしても負担が続けば変わらない
同じように、前述のテレビの位置の問題で考えてみましょう。
腰を右に捻ることが、その人の腰にとって負担になっているとします。
でも、家に帰ったら同じ環境で腰を右に捻ることになります。
治ろうとしている組織に毎日繰り返し負担をかければ、いつになっても治りませんよね。
傷ついた組織を修復する < 傷ついた組織に負担をかける
身体は基本的に傷ついた組織を修復するようにできています。
普通にしていれば治っていくはずです。
もし治らないのであれば、治す力以上に負担をかける力が勝っている可能性があります。
根本的な習慣化された動作パターンを変化させること
この場合、テレビの位置を変える、座る位置を変えることが功を奏すかもしれません。
運動やストレッチをしたり、湿布を貼ったり薬を飲むだけが治療ではありません。
腰に負担をかけている動作を変えることが治療になるのです。
習慣化された動作パターンを変化させることが根本的な治療です。
腰に負担のかかりやすい動作の特徴
①重いものを持ち上げる動作
重いものを持ち上げるときには腰には大きな負荷がかかります。
そこまでの重さではなくても、無理な体勢で持ち上げると大きな負担がかかるので、特に注意が必要です。
腰痛やヘルニアの要因にもなりますが、もっとも起こりやすいのはギックリ腰ですね。
②長時間の同一姿勢
・長時間車の運転をしたり、座ってパソコンしたりする
・立ちっぱなしで炊事をしたりする
同じ姿勢を続けていると同じ場所に負担がかかり続けます。
靭帯や椎間板は弾力性もあり強度を誇りますが、小さい負荷が長時間かかると緩みや微細な損傷を生じるといわれます。
③小さい負担だけど繰り返し行う動作
・同じ動作のパターンが姿勢の偏りを生じる
・姿勢の偏りから動作時に同じ場所への負担を生じる
よく物の耐久性をいうときに、何万回の負荷試験に耐えたとかいわれますよね。
人体も同じで繰り返し同じ場所に負荷がかかると、微細な損傷を起こしていしまいます。
腰の負担を減らす動作ポイント
①物を持ち上げるときは腰を落とす
物を持ち上げるときに左のような持ち上げ方をしていませんか?
荷物と体の距離が離れることと、中腰姿勢で物を持つことで腰に大きな負担を生じます。
右のように、腰をしっかり落として荷物と体の距離を近づけて持ち上げるようにしましょう!
②同じ姿勢で作業せずに姿勢を頻回に変える
作業に夢中になっていると同じ姿勢のまま続けてしまうことありますよね。
でも同じ姿勢を続けずに、ときどき姿勢を変えるようにしましょう。
そうすることで、同じ場所への負担を減らすことができます。
③休めの姿勢で体重をかける方を逆にする
人には利き手があるように軸足があります。
休めの姿勢をしたときには、いつもどちらかに偏って立っているはずです。
これを意識的に逆にするようにします。
そうすることで、体の左右のバランスや姿勢の偏りを改善できます。
そして結果的に、同じ場所への負担を減らすことになります。
④カバンや物を持つ方を逆にしてみる
利き手があるのでつい重たいものは利き手で持ちますよね。
カバンもいつも同じ肩の方にかける人がほとんどです。
こういったことの積み重ねが姿勢の偏りを作ってしまいます。
あえて、反対の肩にカバンをかけるようにしたり、重いものを逆の手で持つようにしましょう。
⑤中腰などの無理な体勢を避ける
中腰は腰に負担のかかりやすい姿勢です。
腰痛やヘルニアの人は、洗顔がつらいという人も多い。
腰を曲げるのではなく、膝を曲げて高さを調整するようにしましょう。
⑥台や椅子などをうまく活用する
シンクが低かったりすると中腰姿勢になってしまいますよね。
・足台に片方の足を載せる
・前屈みにならない程度の椅子に腰をかける
高さを調整するために、足台や椅子を利用するのもいい方法です。
⑦パソコンをする際の悪い姿勢に気をつける
パソコンをしているとついに前屈みの姿勢になってしまいます。
これを正すためには椅子を変えたり、腰にクッションをいれてまっすぐになるようにするのもオススメです。
この腰にいれるクッションのようなものを、ランバーサポートといいます。
まとめ【腰に負担のかからない動作方法を身に着けよう】
人は癖があるように同じ動作パターンになりがちです。
そういった偏った動作が、姿勢の偏りや負担の偏りにつながります。
意識的に動作パターンを変えることが、これらの改善に役立ちます。
あとは、腰に負担のかかりにくい動作方法を身につけることが大切です。
環境を変えたり道具を工夫することも1つでしょう。
特に椅子にはお金をかけましょう。
ランバーサポートを使ってみるのもオススメです。
それでは、また!