と思ってたら、何かおしっこが出にくいような気がする。おしっこの出る感覚が分からない。
そういえば足首の力が入りにくくて、スリッパが脱げやすいしつまづきやすい気がする。
早く病院にいかないとマズイかなぁ・・・
このような悩みを解決する記事になっています。
おそらく、おしっこが出ないとか、おしっこの出る感覚が分からない、ってなって放っておく人はいませんよね・・・
足首や足の指が動かないとかなったら焦りますよね。
もし、そんな人がいるとしたら・・・
そこまでいかなくても、足首や足の指の力が少し入りにくくなってるというぐらいだと、気づいていない人もいるので注意しましょう。
なぜこのような注意喚起をするかというと、
・腰椎椎間板ヘルニアには注意すべき症状がある
・運動麻痺と膀胱直腸障害は放っておくと後遺症が残る
・早くに手術などすれば改善しやすいため
この記事を読むことで、腰椎椎間板ヘルニアで注意すべき危険な症状について知ることができます。
重大な後遺症を残さないためにも、知っておくべき知識と言えるでしょう。
【本記事の内容】
・腰椎椎間板ヘルニアで危険な症状について
・膀胱直腸障害と運動麻痺について
理学療法士として学んできた医学知識や経験も踏まえて解説していきます!
下記の文献も参考にしています。
・嶋田智明:『腰痛の病態とその理学療法アプローチ』.文光堂,2008
・林典雄:『整形外科運動療法ナビゲーション上肢・体幹』.メジカルビュー社,2014
・坂井健雄:『プロメテウス解剖学アトラス解剖学総論/運動器系』.医学書院,2007
・腰椎椎間板ヘルニアを持っている人
・すでに膀胱直腸障害や運動麻痺の自覚がある人
・ヘルニアで注意すべき症状について知りたい人
腰椎椎間板ヘルニアで注意すべき症状とは
ヘルニアで放置しても問題ない症状
・腰痛
・脚やお尻のしびれや痛み
長時間座っていると脚やおしりがしびれるけど、姿勢を変えるとおさまる。
腰を曲げるときに腰が痛い。
これらの症状は本人とっては辛いかもしれませんが、放っておいても大きな問題にならないことが多いです。
整形外科の疾患なので、放っておいても命には別状はありません。
放っておいて悪化したり悪影響がないのであれば、本人の自覚的な辛さ次第といえます。
・痛みやしびれが常時ないこと
・痛みを回避する姿勢があること
・動作に支障がない程度の軽度の症状であること
上記のような場合であれば、日常生活や仕事に大きな支障はない場合もあります。
急いで病院を受診しなくても、様子をみてもいいかもしれません。
ただ軽症のうちに対処するほうが、治りも早いのでできれば受診すべきでしょう。
ヘルニアで病院に行くべき症状
・日常生活や仕事に支障がある腰痛や脚の痛み
・明らかな脚のしびれや違和感
・足に力が入らない
放っておくと悪化したりする可能性もあります。
ヘルニアは、軽症であれば運動やストレッチで治ることも多いですが、重症化するとなかなかそれだけでは難しい場合もあります。
日常生活や仕事に支障があるのであれば、早めに適切な対処をとりましょう。
90%の腰椎椎間板ヘルニアは運動療法や自然軽快で症状がよくなります。
受診をして理学療法士によるリハビリを受けるのがいいでしょう。
ヘルニアで手術すべき症状
・苦痛を感じるほどの痛みやしびれ
・数分歩くのもつらい
・数分座っていることもできない
・足に力が入らない
・おしっこの感覚が分からない
ほとんどのヘルニアは、運動やストレッチや注射や薬などの保存療法が功を奏すことも多い。
しかしながら、治らず手術が必要になるケースもあります。
上記のような症状が残存している場合は、手術が必要になるかもしれません。
受診をし主治医の指示を仰ぎましょう。
ヘルニアで起こりうる後遺症とは
ヘルニアで後遺症が残るかもしれない症状とは
ヘルニアのほとんどは治療により症状は改善されます。
運動やストレッチでよくなる場合がほとんどですが、一部手術が必要になる場合もあります。
手術をしても後遺症が残るケースも存在するので注意が必要です。
・運動麻痺
・膀胱直腸障害
・痛みやしびれ
・姿勢の傾き
特に、運動麻痺と膀胱直腸障害には注意が必要です。
この2つの症状は出現した際に放っておくと、後遺症が残る可能性が高いためです。
急激な運動麻痺が起こったり膀胱直腸障害が起こったときは、48時間以内に手術をしないと後遺症が残る可能性が高いといわれています。
順番に解説していきます。
足首に力が入らなくなる【運動麻痺に注意】
椎間板ヘルニアで運動神経が圧迫されると、運動麻痺を起こします。
このような症状がある方は、要注意です。
もしかしたら、運動麻痺を起こしているかもしれませんよ。
・つま先がそらせない
・スリッパを履いていると脱げる
・つま先がひっかかる
腰椎は5つあり、例えば3番目の腰椎はL3と示されます。
L3とL4の間にある椎間板ヘルニアで神経が圧迫されると、L4神経領域が障害を受けます。
詳しいことはわからなくても大丈夫です。
つまり、ヘルニアの出ている場所によって神経の圧迫される部位が違うということです。
①椎間板からヘルニアが飛び出して神経を圧迫
②神経が圧迫されて運動麻痺
③神経の圧迫時間が長くなると後遺症が残る
手術後も足首の力が戻らない後遺症が残ることもあります。
そういう場合には、足首につける装具が必要になることもあります。
運動麻痺には注意しましょう。
おしっこがでなくなる【膀胱直腸障害に注意】
腰からでる神経の一部は膀胱や直腸もコントロールしています。
・おしっこが出にくい
・おしっこや便の感覚が分からない
ほとんどありませんが、膀胱直腸障害を生じることがあります。
運動麻痺と同じで、長期間に及びと後遺症が残る可能性があります。
もしこのような症状がでた場合は、いち早く受診するようにしましょう。
症状が出てから手術するまでの期間が、予後(後遺症が残るかどうか)を決めるとも言われていますので要注意です。
緊急手術が必要となるケースも多いです。
姿勢が悪くなる【ヘルニアを長く我慢したデメリット】
・痛みを避けるために傾いて歩く
・ヘルニアの飛び出した位置によって神経のあたる姿勢は変わる
・長期間逃避性に傾いた姿勢は固定化される
ヘルニアが神経を刺激しないように、神経が圧迫されない姿勢をとるようになります。
痛みから逃避する姿勢を無意識のうちにとってしまいます。
それが長期に渡ると、周囲の筋肉や関節もそれに適応してしまいます。
手術をしてヘルニアがなくなっても、姿勢の傾きが残ることがあります。
しびれや痛みが残る【脳が痛みを覚えている】
①椎間板から飛び出したヘルニアが神経を刺激する
②刺激された神経は身体に異常を生じていると認識
③脳に痛みという信号を送る
④①〜③が長期に及ぶと脳に変化を生じる
⑤ヘルニアがなくなっても脳が痛みを感じるという状態に(慢性痛)
しびれや痛みを感じているのは脳です。
ヘルニアが神経を圧迫することで、痛みやしびれといった誤った情報が脳に送り続けられます。
それが長期に及ぶと脳自体が変化すると言われます。
通常であれば痛みと感じないような、脳に送られる情報を痛みと誤認してしまうのです。
手術をしてヘルニアがなくなっても、脳が痛みを覚えている状態になってしまいます。
それにより、慢性痛といわれる症状が残ることがあります。
まとめ【ヘルニアで注意すべき症状】
・ヘルニアの症状の中には放置しても大丈夫なものとヤバイものがある
・放置することで後遺症が残るものが存在する
・運動麻痺と膀胱直腸障害は後遺症が残りやすい
・症状出現後、48時間以内に手術をすべきといわれている
・早めの対処で後遺症を未然に防げるので早期の受診を!
急を要する症状の場合は、緊急手術が必要となることもあります。
自己判断せずに気になる症状が出現した場合は、早急に整形外科を受診して後遺症を未然に防ぎましょう。
それでは、また!